近年、ボルドーの無名産地が注目を集めています。
その1つ、ボルドー・コート・ド・フランのワインです。
■コート・ド・フラン
サンテミリオンから東へ10km、カスティヨン地区の北部、
小高い丘の南向きの斜面にある小さな産地がボルドー・コート・ド・フランです。

コート・ド・フランの知名度はありませんが、
Ch.ル・ピュイやCh.ピィグローなど人気の高いワインを中心に、
近年、実力が認められて評価を上げている産地の1つです。
■シャトー ナルドー
派手なタイプのボルドーワインではない、シャトーナルドーでは、
テロワールを大切にしたワイン造りを行っています。
平均樹齢30年以上のブドウの樹は、植栽密度5000/haと高く、
下草を自然に生やす事で根を地中深く伸ばし凝縮間のあるブドウを実らせます。
メルロを中心に丁寧に栽培・醸造を行い、12ヶ月に及ぶオーク樽での熟成によって、
角のとれた丸みのあるタンニンのワインに仕上がっています。
そんなシャトー ナルドーですが、実は金賞受賞の常連ワイナリーなのです。
パリ農業コンクールで、'99、'01、'03、'04と金賞を受賞。
ボルドー委員会が選ぶバリューボルドー100選にも選出され、
日本国内の雑誌でもお買得ワインランキング・ボルドー部門で
第1位に選ばれている実力派ワイナリーなのです。
■自然派ワインと酸化防止剤
酸化防止剤として亜流酸を使用する事で、ワイン造りのリスクは激減しますが、
自然派といわれる生産者は発酵・熟成過程での亜硫酸添加を極力抑えたり、
一切使用しない作り手もいます。
使用するタイミングは様々ですが、多くの生産者は瓶詰め時に極少量だけ添加します。
瓶詰め時に添加する事で、出荷後の船旅などでの品質劣化を防ぐ事が出来る為です。
亜硫酸は不安定な状態の物質なので、酸素と結びつきやすい為、
酸化防止効果をもたらします。
亜硫酸の効用として、微生物の殺菌作用、清澄作用、
色素抽出を助けるなどの効果をもたらします。
その中で1番に求めているは殺菌作用です。
樽などを殺菌するために極少量使用する事によって、
バクテリアによる汚染がなくスムーズな発酵が行えます。
その結果、亜硫酸の添加量が限りなく0に近づけてのワイン造りが行えます。
イメージの悪い亜硫酸ですが、ワイン造りには重要な役割を持っています。
深いガーネットの色調。
ブラックベリーやカシス、コーヒの香りとローストの風味。
凝縮感のある果実味と繊細なタンニン。
余韻はさほど長くはありませんが、
程よい酸味とブドウ本来の甘みでバランスの良い一本です。
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