ワインの原材料としては、殆どみかけることのないアイレン種。
そのアイレン種を使用した、スペインからのビオワイン。
ちょっと珍しい一本です。
■アイレン種
スペイン中部の広大なラ・マンチャ地方に
多く植えられているブドウ品種のアイレン種。

世界最大の栽培面積をほこっていますが、
アイレン種を使用したワインを見かける事も
殆どないほど、知名度の低い品種です。
アイレン種からのワインは、
主に安価なバルクワインや酒精強化ワイン。
蒸留されブランデーとされていたためです。
酸はあるものの取立てて特徴の無いワインを
生み出してしまうアイレン種からは、
上質なワインは出来ないと考えられていました。
そんなアイレン種も、量から質への
転換が始まりつつあるようです。
■インヴェンシブレ社

アンダルシアの境界近くにあるバルデペーニャス地方。
赤ワインの生産量の多いこの地方は、
近年コストパフォーマンスの高いワイン
産み出す土地として世界的にも知れ渡ってきています。
その土地で、有機栽培されたブドウを使用して、
超お手頃価格にてビオロジックワインを造っているのが、
インヴェンシブレ社です。
安い価格も驚きですが、ここの有機栽培亜は、
正式にビオロジック・ワイン認証機関の1つである
エコセールの認定を受けているのです。
■エコセール
フランス南西部のトゥルーズに本拠地を置き、
EU諸国に拠点を持つ欧州最大の認証機関として、
世界70ヶ国以上が加盟し、約7000の有機栽培業者と
9000の加工業者に関与して機能しているのがエコセールです。
エコセールは、農林大臣が認可する
全く独立した機関として公平な立場にあります。
農薬と食品化学の技術者で構成された検査員が、
栽培から商品製造過程とその添加物にいたるまで、
厳密な管理と監視を行います。
ブドウ生産でのエコセールからの認定を継続させるためには、
一年に一度の年次査察を受ける必要があります。
オーガニック認定団体の世界基準的存在です。
■日本での有機農産物

2000年に改正JAS法が制定され、
有機農産物の企画がはっきりとしました。
それ以前は、農薬を使用していても
極少量の有機肥料を使用するだけで、
有機栽培品としてOKでした。
今では、有機農産物とは
化学合成農薬、合成肥料、化学合成資材を使わずに
3年以上経過し、堆肥などによる土作りを行った田畑で
収穫された農産物となっています。
(この他にも細かく定められています)
ここで、似て非なるもの
「有機農産物」と「無農薬栽培農産物」の違いについてですが、
アンケート調査をしたところ、その名称から
無農薬のほうが安心と思う方が半数以上との結果が出ているそうです。
しかし、有機農産物が化学合成農薬等を一切使用せずに、
堆肥などによって土作りを徹底した後に収穫された物に対して、
無農薬栽培農産物は農薬は使っていないと示したものにすぎず、
化学合成堆肥などは使用してもよいのです。
日本の法改正が2000年と日が浅い事もありますが、
消費者側の意識改革も重要なようです。
黄金色かかった濃い色合いで、
洋なしやメロンを思わせる
フルーティーな香りとひかえめな酸。
飲みやすく、とても千円以下とは思えない味わいです。
しかし、まだまだ水っぽい感もあり、
今後のアイレン種やインヴェンシブレ社のワインには
期待したいところです。
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