2000年に設立されたワイナリーでありながら、パーカー氏に5星評価をされている
ビラミッド・ヴァレー・ヴィンヤード。
セミヨン100%のワインは大変珍しい希少なワインです。
■ピラミッド・ヴァレー・ヴィンヤード
マイク・ウィースリング氏と妻のクラウディアさんが
ニュージランドにやって来たのは1996年の事でした。
マイク氏は、ボーヌの農業高校を卒業後、
ブルゴーニュ大学でワイン造りを学んでから、
ミッシェル・ラファルジュやプース・ドールなどで研修を積みました。
さらにアルザスやドイツのモーゼル、カリフォルニアで学んだ経験を生かして、
ノイドルフ・ヴィンヤードにてワイン造りに携わっていました。
休日には、彼が理想とするワインを造り出せる畑を求めて探し続けていました。
その結果、2000年に南島にあるニュージーランド最大の平野、
カンタベリー地区に
約100haの畑を購入しました。
ウィースリング夫妻の経営する
ピラミッド・ヴァレー・ヴィンヤードの誕生です。
■10haの畑
マイク氏が購入した畑は
約100haでしたが、
ブドウの樹が植えられているのは
中心部の10haに留まります。
通常ではブドウを植える際、
アメリカ品種の苗木にヨーロッパ系の樹を接ぎ木します。
これは、ブドウにとって最大の敵である
フィロキセラ対策です。

しかし、彼の畑ではこの接ぎ木は行われずに植えられています。
ブドウ畑があったとしても、その周辺の100haにブドウの樹がなければ、
フィロキセラの害にさらされないと考えているからです。
この方法が、化学的に証明されているのかはわかりませんが、
今のところフィロキセラには襲われていないようです。
世界的にもほぼ存在してない接ぎ木なしのブドウから造られたワイン
を楽しめる日も近い様です。
■グローワーズ・コレクション
2000年のワイナリー設立時から、ビオディナミを実践している
ピラミッド・ヴァレー・ヴィンヤードですが、
2000年に植えたブドウの樹はまだ若くワイン造りには最適とは言えませんでした。
(自社畑からのワインは'08に初リリース予定)
よって、現在はブドウを購入して
グローワーズ・コレクションとして数種類のワインを造っています。
使用するブドウは、自社畑と同じ様にビオディナミにて
マイク自信が育てそれを買い取って使用しています。
十分な剪定によって押さえられた収量は、
周辺のワイナリーの4〜6割ほどとなっているため、
今回のセミヨンは
僅かに450ケースの生産量となっています。
セミヨンを栽培しているボルドーでは
ソーヴィニョン・ブランとブレンドして造られるため、
セミヨンの100%のワインは、オーストラリアやニュージーランド以外では
ほとんど見かけない希少な1本です。
アルコール度数13.9%から過熱で、酸が不足しているかと思いましたが、
酸味の生き生きとした爽やかなグリーンのイメージは、
ソーヴィニョン・ブランドがブレンドされているのかと感じるほどに
バランスの良いワインでした。
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