オーガニックワイン専門店「マヴァイ」の10周年を記念して作られたオリジナルのワインです。
■ブロー
ラングドック地方にある世界遺産、
城塞都市カルカッソンヌの麓に広がる畑には、
南仏品種とボルドー品種の両方が栽培されています。
畑を所有するドメーヌの名前であるブローとは、
この地方の方言で若い雄牛の意味があり、
1790年の地図を見るとそこには森が広がっており、
その森もまたブローと呼ばれていたことに由来しています。
■オーガニックへ

ドメーヌ・ド・ブローの歴史は、
タリ家の現当主であるガブリエル氏の父親が、
1960年に畑を購入したことから始まります。
当主は、赤のVDTのみを造っていましたが、
現在のように数種類のワインを造り出すようになったのは、
82年にウェニーさんと結婚しタリ夫妻でのワイン造りがスタートしたことによります。
ワインの種類を増やすため、まずはブドウを接木して
シャルドネやメルロ、カベルネ・ソーヴィニョンなどを新しく栽培しました。
その時、オーガニックでの栽培も考えてはいたのですが、
ガブリエル氏は経済学、ウェニーさんは考古学を学んでいたこともあり、
見送られて89年からのオーガニック栽培となります。
その頃、畑の周囲にある森や川なども買い足していました。
理想的な畑の環境を守るために。
■新しいチャレンジ

ブローのワイン造りは合理的です。
以前、セメントタンクを使用していたものは、今はステンレスへ。
化学製品を使わずとも清潔に保たれ、
洗浄も楽、蓋の位置も調節可能なためです。
収穫も機械を使用して行われます。
そのため、機械の移動が可能なようにブドウの樹は植えられています。
手摘みの方が、丁寧な作業でこだわりを持って造られているイメージがあると思いますが、
ブローでは短時間で収穫を完了させる事に重点を置いています。
南仏の太陽の下、炎天下での収穫に時間はかけられないと考えているからです。
収穫を始めてから30分後には醸造場にブドウは運び込まれています。
ワイン造りには、毎年新しいチャレンジがなされています。
醸造方法やブドウ品種、ブレンド割合を変えてみたり、
最近ではあまり使用されていない品種(エジオドーラなど)の使用。
マセラシオン・カルボニック法でボージョレ・ヌーボーのようなワインを造ってみたり。
熟成用のオーク樽の産地を変えるなど、その中の1つの試みとして、
マヴィ10周年のワイン造りであったりします。
■オーガニックの輪
淡い黄色をして、グレープフルーツやライムなど柑橘系の果実と花の香り。
樽熟成を行っていないこともあって、フレッシュでキレのある辛口に仕上がっています。
ラベルのデザインは公募によって選ばれました。
一緒に一つのワインとテーブルを動物と人が囲んでいるラベルです。
コンセプトは、「オーガニックの輪」。
健康な畑、伝統を守る造り手、美味しいワイン。
楽しい仲間との食卓。
マヴィが目指すものが、そこには描かれているそうです。
ライター:小形和也(おがた かずや)
札幌のレストラン・ワインバーなどでソムリエとして、ワインの魅力をアドバイス。
ソムリエの好み


ソムリエ小形氏の、今回のワインの「お気に入り度」を星で表していただきました!
<< その他のワインを見る