ブルゴーニュの自然派の生産者、ロブレ・モノが造る辛口ロゼワイン「ロザエ」。
強い香りや複雑さは期待できませんが、シンプルに美味しいと思えるワインです。
■歴史ある自然派
ブルゴーニュのヴォルネイ村に本拠地を置く、
ドメーヌ・ロブレ・モノのブドウ栽培の歴史は、1865年からの古いものです。
4代目となる現当主のパスカル・ロブレ氏の祖父の代から、
除草剤などの化学農薬を一切使用しないスタイルを貫いていました。
当時としては珍しく、今のように
ビオディナミ有機農法的な、農薬や化学肥料を排除した農法が
ファッションのようになる以前から、ビオディナミによる栽培、
醸造を実践していた事により、畑は見るからに
健康そうなふかふかと柔らかく理想的な土壌になっています。
ビオディナミを行っている認識は無かったようで、
土壌の潜在能力を最大限に引き出す為に行っていたのがビオディナミでした。
■セシル・トロンブレー

パスカル氏の初ヴィンテージは、1990年と案外古く、
ヴォルネイとポマールに所有する7haの畑から
ワイン造りを行っていましたが、
知名度はあまり高いものではありませんでした。
しかし、2004年に話題を集めることとなります。
アンリ・ジャイエのいとこを祖母に持つ
セシル・トロンブレーと結婚したからです。
その際、彼女がジャイエ家から引き継いだ8つの畑
(エシェゾー、ヴォーヌ・ロマネ・ボーモン、
シャペル・シャンヴェルタンなど)がラインナップの一角を
占めるようになり、これをきっかけとして、
ロブレ・モノのワイン自体も注目される事となりました。
新しく加わった8つの畑は、長年に渡って
化学薬品を使用していた為、ロブレ・モノの名前ではなく、
ドメーヌ・セシル・トロンブレーとしてリリースされています。
2003年からは、ロブレ・モノと同じ様にビオでの栽培が行われるようになっています。
■直接圧搾法
一般的にロゼワインを造る際は、赤ワインを造る途中で、
適度に色づいたときに液体の一部を抜き取り、
そのまま発行を行う
セニエ法ロゼワインの最も一般的な製造法。黒ブドウ(赤ブドウ)を原料として赤ワインと同様の手順で発酵を開始した後、果汁が適当に着色した時点で果皮などの固形物を除去し、果汁のみを低温発酵させる。を用いますが、
ロザエは直接圧搾法で造られます。
それは、一部を抜き取るのではなく、圧搾して
皮や果梗と分離してから発酵を行う方法で、
セニエ法と比べて、色調は濃く、
赤ワインに近い複雑さを与えてくれます。
熟度を調べて、最適な時期に手摘みで収穫を抑えたブドウは、
自然酵母によるアルコール発酵、大樽での
マセラシオン果汁をアルコール発酵させる際に果皮や種を一緒に漬けてワインの色素や渋味を抽出すること
ノンフィルター、無清澄で仕上げられます。
ビオ特有の香りは無く、イチゴシロップや安いボージョレの様な香りに驚きますが、
口に含むと、ミントやバジルのハーブ、ミネラル感豊かな味わいと、
軽めのタンニン、上品な酸味のシャープな辛口。
飲んでみると自然派らしい心地よいワインだと気がついた1本でした。
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