農業を営む副業農家から、ビオディナミでのワイン生産者へと
変貌を遂げたワイナリーの造るお手ごろVdTです。
■フェルム

コート・デュ・ローヌ北部は、果実作りに適した気候である為、
斜面ではブドウを栽培し、平地で桃やアプリコットを栽培。
それと同時に、乳牛などの酪農も営む副業農家が、
今でも多く見られる土地で、名前にフェルムと入れているように、
ジャン・デロブル氏の家系も祖父から父親の代までは、
ブドウ栽培は農業の一部であり、ブドウ自体は協同組合に売っていました。
現当主のジャン・デロブル氏の代から、
ワイン造りに専念する事となり、
ブドウ栽培中心へとシフトチェンジします。
さらに、リュンヌを名前に付けたのは、
月の作用を考えた醸造をする事に由来するそうです。
■ゴクゴク・グビグビ
ワインを飲むときの音「ゴクゴク・グビグビ」=「グルー」。
その名の通り、飲み口の良い
ナチュラルな風味の詰まったワインであるグルー。
2004年から造り始めているグルーは、
シラー100%で除梗されたブドウセメントタンクへ入れ、
その中を炭酸ガスで充満させて行う、
マセラシオン・カルボニック法にて醸造されます。
その間、ルモンタージュやビジャージュなどは行わず、
優しいマセラシオンでエスキ分を抽出し、
天然酵母を使用して、タンク内でオリと共に7ヶ月熟成。
その後、ノンフィルターにて缶詰されます。
骨格やタンニンは強くないですが、シラー独特のスパイシーさと、
甘い果実の香りが広がり、ピュアな果実味と酸のバランスが絶妙です。
それでいて、気軽に楽しめるワインに仕上がっています。
■ビオディナミでのワイン造り

1979〜81年に、ボーヌの農業学校で栽培・醸造を学んだ
現当主ジャン・デロブル氏は、ナチュラルな果実味が楽しめる
自然派らしいライン造りに興味を持ち、
組合が企画するビオディナミの講演会に参加するうちに、
品質向上の為には必要不可欠と考えて、
1997年からビオディナミを取り入れました。
2001年に2haの畑が協同組合との契約切れと同時に、
自社醸造・瓶詰めに切り替え、翌2002年、所有する4haの区画が
ビオロジック認定団体の認定を受けて、ビオ生産者の仲間入りを果たします。
誠実で、堅実な人柄のデロブル氏は、
毎年経験を積みながら少しずつ生産量を増やしている
ローヌの注目すべき醸造家です。
シラー100%で造られていますが、
マセラシオン・カルボニック法を用いることにより、
タンニンやシラーらしい動物的な香りは強くなく、
体にすーと染み込むように、もう一杯飲みたくなるワインです。
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