歴史あるワイナリーが、ブドウ品種栽培・醸造面での大改革を行い、
注目を集めつつあるクードレの造るヴィオニエからの辛口白。
■ドメーヌ・クードレ

その歴史は、1840年に始まり現在の6代目当主である、
ジャン・イヴとピエール・アンドレの兄弟に受け継がれるまで、
家族経営にてブドウ栽培をしていた歴史あるドメーヌです。
兄のジャン・イブは、1976年からクードレで働き始めていました。
弟のピエールは、モンペリエ大学にて法律を学んでいましたが、
この古きドメーヌの歴史を終わらせないためにと、
1985年から兄と共にクードレを受け継ぐ事となりました。
その頃は、地元の協同組合に加盟してブドウを売っていましたが、
自分達の思い描く質の高いワインを造るべく、
協同組合から独立し、元々は行っていた自社単独での醸造をスタートさせました。
それを期に、
醸造コンサルタントを招き入れての大改革が始まります。
■まずはブドウ品種
生産量重視ではなく、品質向上のためにブドウの樹の植え替えを行いました。
シラー、グルナッシュ、メルロ、カベルネ等の赤品種。
白品種としては、ヴィオニエ、シャルドネ、マルサンヌへと、替えてゆきました。
実験的にですが、サンジョベーゼも栽培しているそうです。
栽培方法には、リュット・レゾネ(減農薬農法)を採用して、収穫機械も一新しました。
収穫は、機械摘みですが、未熟なブドウによる青臭さが出ないように、
完熟したブドウだけを振り落とすことの出来る細やかな調整が可能な最新の機械を導入。
醸造所全体を温度管理すると共に、ステンレスタンクにて醗酵中の温度を調節して、
醸造をコントロール出来る様にしました。
さらに、空気圧を使用した圧搾機を使う事で、丁寧で優しいプレスを行えるようにと、
大改革をしたことにより、醗酵中の温度上昇によって果実実を失うことのない、
みずみずしい風味を最大限に残すワイン造りを可能としました。
■ヴィオニエ
数年前までは、まったく知名度の低かったヴィオニエ。
それもそのはず、1980年代に絶滅寸前とまで言われていた品種でした。

ローヌ北部、コンドリューで栽培されていた品種でしたが、
花が咲く時期も不定期で収穫量も少なく、手間ばかりがかかり、
そしてとてもデリケートなため、栽培が難しいと言われています。
そのため、他の産地に広がる事もなく、造り手の数が減る一方でしたが、
ジョルジュ・ヴュルネを含む数人の造り手が、
細々とヴィオニエ造りを続けていたこともあって、
今ではカリフォルニアや南フランスなどでも積極的に栽培されています。
南の暖かい地方でのヴィオニエは、理想的な成熟状態にもっていくのが、
特に難しいようで、南ローヌですらすぐに過熟になってしまいます。
こうなるとフレッシュさを失った、ベトっとした重たいワインとなってしまいます。
しかし、クードレでは、お手ごろ価格でありながら、
華やかな香りが特長のヴィオニエをしっかりと表現しています。
レモンイエローの色調で、ジャスミンなど花の香りが印象的、
アプリコットや白桃の果実実が広がります。
フレッシュでフルーティーな味わいと共にヴィオニエらしい苦味のある辛口。
余韻に残るさわやかな苦味が心地よいワインです。
馴染みのない方も、一度ヴィオニエを飲むとハマってしまうかもしれませんよ。
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