人の手を極力加えず、ブドウにまかせたワイン作りを行う。
ありのままのワインを生産しているドメーヌです。
■造る側へ
元ソムリエのフィリップ・ジャンボン氏が、
97年にわずか1haの畑からスタートしました。

このドメーヌは、ジャンボン氏が、ソムリエ時代に出会った、
コート・デュ・ローヌのグラムノンやダリー・エ・リボなどの
自然派の造るワインを飲んだ時、強い衝撃を受け、
自然派のワインに興味を持った事から始まります。
グラムノンといえば、ローヌ南部の偉大な生産者で、
ブドウ古樹から、有機栽培で自然酵母を使用、
ノンフィルターで仕上げており、ジャンボン氏もまた、
化学物質がブドウの構成に及ぼす悪影響に注意していた為、
設立時からの有機農法により、2002年にビオロジックの認定を受けました。
しかし、スタート時、畑仕事や醸造に必要な器具を満足に用意することができず、
発行槽は仲間に借り、自宅の物置を改造してセラーを作り、
熟成蔵も友人からとういう形でのワイン作りとなりました。
■ありのままのワイン
健全なブドウであれば、テクニックを使わずとも、
それだけで、感動を与えるワインが生まれるとジャンボン氏は考え、
テロワールを表現した自然なワインであることが重要で、
条件の悪い年であっても、手を加えないスタイルを一貫していました。
そんな彼の2001年は、天候が悪くボージョレの色が薄く仕上がってしまいます。
他の生産者が行っているように、酵素を入れて色を出す方法をとらず、
自らのスタイルを貫いた結果、AOCを名乗る事が出来ずに、
vdtとしての販売となってしまいました。
それ以前の初リリース時のワインもまた、vdt格付けとされています。
このワインは、INAOの官能検査でAOCと認められなかったのですが、
つまり味や香りがボージョレのそれを表現していない事が原因だそうです。
しかし、
自然酵母のみの発酵などで、土地のテロワールを最大限に表現しているはずの
このワインはダメで、培養酵母で香り付けを行わないと
ボージョレと認められないのは、どうかと思ってしまいます。
■理想的な栽培
農薬や化学物質を使用しない自然な栽培方法は、
ブドウの樹だけでなく、周辺の植物とのバランスや、
環境も重要と考えていました。

死んでしまった樹を抜いた後に果物の樹を植えてバランスを取るなど、
理想的な栽培が行えています。
隣接している生産者も、売り上げ不振で栽培を止めていたり、
高価な農薬が買えないが為に、化学的な農法を行っていないなど、
周辺一体がビオでの栽培なのです。
■ブドウに合わせた醸造
醗酵は全て、自然酵母に任せており、
人為的介入は避けるようにします。
糖度の高い年に醗酵が長期間に及ぶような年でも、
急いでビン詰めする事もなく、ワインが安定するまで待ち続けています。
2003年は、ボージョレ・ヌーボーであっても、のんびりと醗酵させ、
解禁日にあわせる事もなく、「ヌーボーVDT」として、年明けにリリースしています。
ガニヴュは、ボージョレの最北、マコンとの境に位置する畑で、
他の畑に比べて標高の高い場所にあります。
そのためさわやかな酸味とストレートの果実実を感じ、
テニリーやラズベリーなどの香りに野生味ある大地のニュアンスを味わえる1本です。
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