コート・デュ・ローヌの自然派の造り手、ロングロール。
パリでも買うことのできない、日本限定のキュヴです。
■ラングロール
フランスでも大注目されている造り手のラングロール。
元々は、父の養蜂場を手伝っていたエリック・ビフェリン氏が、
1988年に祖父から跡を引き継ぎワイン造りを始めました。
2000年までは農協に卸していたワインを
元詰めとして販売した事から注目されました。
自分の目が届く範囲での仕事を信条としているラングロールのワインは、
「ブドウの力を最大限に生かす造り」、ブドウの様子を見守りながら、
美味しいワインになるように舵取り役をするだけだといいます。
■大の親日家
太陽がないと生きていけない、
トカゲをデザインしたラベルが印象的なラングロールのワインです。
「他のどこにもない」という意味を持つ日本限定ワインのラベルには、
トカゲと一緒に日本の日の丸がモチーフとして描かれています。
2005年にエリック氏が初来日した時に、
日本の文化・料理に感動し、
繊細で香りの優しい日本の料理を壊さない味わいの
ワインを造りたいと考えた結果、
当初は買い付けたブドウを使用してのワインを
醸造する予定でしたが、彼が所有したばかりの畑から
ブドウを使用する事を決めました。

タヴェルから北へ8q。
サン・ジェイムズ・コムラ地方。
ここは、歴史深いローヌワイン発祥の地です。
この土地には、エリック氏が
喉から手が出るほどに欲しがっていた
樹齢110年を超えるグルナッシュの畑があります。
2005年に遂にその畑を手に入れたことにより、
ファースト・ヴィンテージの‘06から
樹齢110年のグルナッシュ主体でのワインを
日本に届けてくれています。
■6月の災難
無農薬、酸化防止剤を使用していないブドウは、
手摘みで収穫された後、醸造所に置かれた、
移動式大型冷蔵庫コンテナの中で、
低温でクリーンな空間での自然発酵を促します。
ラングロールのワインといえば、
マセラシオン・カルボニック法と低温発酵から生まれる
優しい味わいのワインでしたが、
このワインにはマセラシオン・カルボニック法を取り入れず、
ガツンと飲み応えと凝縮感のある味わいの
新ラングロールスタイルとして仕上げられています。
ファースト・ヴィンテージは順調に日本に届けられましたが、
2年目の6月に大きな災難が降りかかります。
厳しい雹の被害を受けてしまい、
畑には大きなダメージが残りました。
その後、痛んだブドウを丁寧に取り除き、
ブドウの樹も治療をしました。
地道な作業を行ったことにより、‘07のワインを仕込む事が出来、
その仕上がりも完璧なものとエリック氏は言っています。
しかし、残念ながら生産量は‘06よりも激減してしまい、
更に貴重なワインとなりました。
パリ最大のワインショップ「ラ・ヴィーニャ」でも
買うことのできない、ニュル・パール・アイユール。
濁り気味な濃い赤紫色は、フィルターを通していない為です。
カシスやブルーベリーの香りと果実味が口一杯に広がり、
心地よい酸と細かく柔らかいタンニン。
一度飲むと病みつきになる一本です。