イタリアの名門、アンティノリ社が夏限定で販売している、
夏にぴったりのワインです。
■夏の風物詩
1980年に初ヴィンテージとして登場して以来、
夏ワインとして定着しているカプスーラ・ヴィオラは、
キャンティの品質向上を目的として、トスカーナ地方の指導者的生産者である、
アンティノリ、フレスコバルディ、ルフィーノ、リカソリの4社が、
1970年にコンソーシアム協会と結成した事から始ります。
元々、白ワイン(トレビアーノ種)をブレンドして造られるキャンティの、
白ブドウの比率を下げることを実行し、
その一方で使用しなかった前年の秋に収穫したブドウを使って、
翌年の春に瓶詰めされ、
夏の間だけ出荷される夏ワインが誕生しました。
■カプスーラ・ヴィオラ
もぎたてフルーツを感じさせる爽快感のあるこのワインは、
キャンティ地方の冷涼な兵領地帯で栽培された
トレビアーノ種とトスカーナで栽培されたシャルドネ種を使用し、
除梗、軽いプレスの後に自然な透明度を引き出すために、
10℃まで冷し、その後で澱引されてステンレスタンクにて
アルコール発酵が18℃以下の低温で行われています。
さらに、ワインの若々しさを保つために
タンクを10℃に保ち短期間貯蔵をして、
フィルター掛けを行ってから瓶詰めされて、
フレッシュな果実味をそのままに、出荷されます。
■アンティノリ家
12世紀からトスカーナ地方の名門として記録が残っており、
600年に渡りワイン造りを行い、現当主ピエロ・アンティノリ氏に至るまで、
トスカーナを現在のレベルまで築き上げ、
世界に広めたワイナリーとして知られています。
アンティノリといえば、スーパータスカン。
今では、ボルドーの一級畑ワインの値段に匹敵する評価を受けている
このワイン達は、それまでの品質向上にあまり関心のなかった
イタリアワインの根本を「量より質」へと転換させる
きっかけとなったのかもしれません。
トスカーナといえば、キャンティ。
そして、そのブドウは、サンジョベーゼ種と相場は決まっていましたが、

ピエロ・アンティノリ氏は、サンジョベーゼとフランスから
品種をブレンドまたは、フランス系品種を主体とした
新しいワインを造り始めました。
規制の厳しいイタリアのワイン法では、
イタリア原産品種の使用を細かく定めており、
その規制の範囲外での醸造は、テーブルワインや地酒といった
低い格付けでの販売となりますが、
自分達の好むスタイルでの生産を行うために、
DOCGの格付けを捨てて、70年代に売り出された
最初のスーパータスカンが「ティニャロッテ」や「ソライア」です。
しかし、当初はイタリア国内での評価は
厳しいものがありましたが、海外からの評価が高まるにつれ、
「オルネライア」、「サッシカイア」、「ルーチェ」などの
スーパータスカンが生まれます。
希少で高価なスーパータスカンに目が向いてしまうアンティノリ家ですが、
数多くの普通飲み用ワインを手ごろな価格帯に抑えた、
高品質なものをリリースしています。
その中の一つが、カプスーラ・ヴィオラです。
グリーンがかった淡い色調で、フレッシュな果実味とキレのある酸。
軽やかな辛口で、今しか飲めない夏ワイン。
暑い日に楽しんでみてはいかがでしょうか?