プロポーズ大作戦 『第2章』
2009年9月22日
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第1章からの続き
1度目は数年前に遡る。
見ず知らずの彼はランチタイムのオープン時に現れた。
「今日のランチでこちらを利用したいのですが。実は彼女と来るんです。
ここでプロポーズしようと思っておりまして、指輪を渡したいんです。
一品目の料理に見立てて運んでくれませんか?」

「………………。何か考えます。」
今日のランチで来るなんてゆっくり考える暇がない。
料理に見立てるといっても、
勝手に箱から指輪を出すわけにもいかない。
とりあえず、この、わりと大きい指輪の化粧箱が入るくらいの蓋付きの食器探し。
食器に装飾はいるのか?ソーサーは敷くのか?タイミングは?料理として出すからには料理名は?
ほとんど打ち合わせのないまま委ねられてしまった。
二人が到着するまでの約30分、厨房はバタバタである。
時間なんてあっという間にすぎていく。
二人がやってきた。
ついさっき、その男性と会っていたことなんて彼女に悟られてはいけない。
素知らぬ振りをすることで余計な緊張をするとともに、
さっき会ったばかりの男性との奇妙な一体感、
そしてその彼女に二人で嘘をついているという事実がなんだか可笑しい。
ドリンクを注文され、いよいよ一品目の料理の出番である。
「一品目のお料理をお持ち致しました。お熱いのでお気をつけください。」
と、くすぐったい台詞を言って私は蓋を開けた。
いや、今だからくすぐったいのであって、あの時は真剣そのものである。
食器には箱が入っているので、彼女は笑みを漏らしながらも
首を傾げ完全に戸惑っている様子が見て取れる。
男性を見つめ、男性に促され、箱を取り出し、箱を開け、戸惑いのない笑顔を見せた。
私の緊張の瞬間は終わった。結果は皆さんのご想像通り。
二人はこの1年後の記念日にまた来店してくれた。
2度目はうちのシェフの知人の息子さんである…
続きは第3章へ
かやの茶屋 ビストロ北海道
ここ“かやの茶屋 ビストロ北海道”には美味しさは楽しさから、楽しさは美味しさから ・・そんな想いが詰まっています。
特別な日にはもちろんのこと、仲間、家族、恋人と過ごすひと時に、より満足して頂けるエンターテイメントな空間でありたい・・・
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水曜定休
【ランチ】(水・木定休)12:00〜15:00
【ディナー】17:30〜22:00
【ケーキ・カフェ・雑貨】12:00〜20:00
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