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母の手
2008年2月22日
涙を浮かべる女、抱き合うカップル、
空港でたたずみ走馬灯の様な出会いと別れを目の当たりにしていた。
大きな羽は寒空を切り裂き、優雅にそして慎重に着陸を試みている。

新千歳空港は昔感じていた程大きくは無かったが、
飛行機の大きさは想像をいつも超える。

少年の心につけいるかのように、
大きな窓から飛行機の離発着が見られる店は一つしかなく
不機嫌なウエイトレスが持ってきた抹茶パフェは
飛行機に見とれ2口しか手をつけることができなかった。

隣に座って蕎麦を食っていた夫婦も、
同様に飛行機に見とれていたのか蕎麦をのばしのこしていた。
ロケーションは味を超越する。


お土産売り場の白い恋人は売り切れ、
じゃがポックルは40分待ちの行列。

お土産商戦にはあやかりたい。
何故「まりモッコリ」なんて下品なキャラクターが人気を博しているのか、
キモカワイく下ネタが皆の心をくすぐっているのは確かだ。

「もっこり」の次は「しっとり」だろうか、
アイデアはPTAをも超越する。

やった者は成功を手にし、臆した者は指をかじる。
北海道ブランドが下ネタ天国にならないことを願いたい。


シシャモ、鮭、ジャガイモetc….
10年前はさほど多くは無かったのか認知度が低かったのか、
この数年は沢山のブランドが生まれている。

産地が見え、生産者がわかるシステムは素晴らしい。
食糧危機が騒がれ食うものに困っていたとしても、
安心で安全な食べ物を望む事をおろそかにはしたくはないと思う。

最近僕の働いているお店でもブランド物に手を出している。
「インカのめざめ」はご存知であろうか?

何でもアンデスの芋を日本向けに
品種改良したジャガイモで、甘みが強く煮崩れしない。
小振りで黄色が鮮やかである。

100g以下の物が美味しいらしく、
当店で仕入れている物は極小で新生児の握り拳のようだが
味は3歳児の泣き声のようにしっかりと芋である存在感を見せる。
羊蹄山を望む名水の産地でも知られる倶知安町で生産されている。

このジャガイモを美味しく食べる方法は色々あるが、
特筆したいのがバター煮。

芋の土を洗ってやり、皮のついたまま油で炒め
出汁、砂糖、塩、酒、バターで煮込みながら
水分が少なくなってきたら汁を絡めるように炒める。

簡単に作れるので是非ご家庭で試して欲しい一品だ。
甘みがあり、栄養価が高く、ビタミンが普通のジャガイモの
7倍と豊富に含まれお子様の安心なおやつにも最適であろう。

僕が小さかった時、スナック菓子はあまり与えてもらえなかった。
子供心に野暮ったいなと思いながら、
母は手作りの芋餅や米で作ったお菓子を
毎日仕事の前に作り置いていた。

本当はスナックが食いたかったが頑なに買ってはくれなかった。

餃子は時間が掛かっても皮から作っていたのを思い出す。
一緒にタネをくるみながら何個も何個も作り、
焼き餃子や水餃子にしていた。

おかげで30歳を大きな病気一つせず迎える事が出来そうだ。

信用してもらえる食品作りは当たり前だが、
他力本願ではいけないのではないだろうか。

安全を手間で買い安心を見極める事が失われ、
手軽さだけが先行し怒りの矛先が他人と言うのは何か悲しみを感じる。

責めるべきは、それを望んで需要を拡大させ
大量生産を迫った消費者にもあるのではないかと思う。

お母さんの手間を少しでも楽にしてあげたいと思う気持ちは
子供達やお父さんが助けてあげなくてはいけないのだろうなと、
寒空に母の手のぬくもりを思い出した。