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馬鹿の壁
2008年1月24日
先日ケガをした。
自己診断では肋骨にヒビが入っているのだと思う。

今年の4月で30歳になる。

新年会の帰りに惨事は起きた。
日本酒を3升は呑んだであろう深夜12時。
数日間の極寒のなか降り続けた雪は粉のようにキメが細かく、
息を吹きかけるだけでダイアモンドをちりばめた羽毛のように宙を舞う。

街灯がスポットライトのように暗がりを照らし出し、
雪に吹きかけた白い息が天高く、形を持たず雪と混ざりながら
暗闇を小さなプラネタリウムにする。

空き地に広がった真っ白なキャンパスを目にしたとき、
「俺色」に染めたくなるのが男心。

上司を巻き込みながら雪山にダイブを繰り返していた。
酩酊状態で判断力を失っていた僕は大げさに言うと氷塊に飛び込んでいった。

直立からのダッシュ、きりもみをしながら全身をつかって着地。
フワッと雪に包まれるはずだったのだが閃光と共に左胸部に激痛が走り
呼吸ができなくなり、氷塊の上で凍りのように固まっていた。

しつこいようだが酩酊状態、痛みはすぐに忘れてしまう。
以降ダイブを繰り返し、全身を白く迷彩にあつらえた。

翌朝の二日酔いと胸部の原因不明の痛みは言うまでも無い。

とある地方の成人式をみて「若気の至り」だなと馬鹿にしていたのだが、
悲しいかなもう30歳である。

やっていることが大して変わらない事に30年を悲観してしまう。

5年前の秋頃は、自分の限界を越えてみたくなり
命綱無しのロッククライミングに果敢に挑戦し落下。
腰の骨を圧迫骨折する大怪我をした。もちろん泥酔だった。

その翌年には自転車で転び左顔面を損傷。
目の上にはサトイモ大のたんこぶと裂傷、おでこから頬にかけて血まみれ、
ナポレオンフィッシュのような顔で翌朝目を覚まし悲しみにふけった。
もちろん泥酔。

と、軽く挙げただけでこれだけある。

女性から「男の人ってずっと男の子よね。」と言われる事に耳を傷める。

僕も人の子なだけあり、新しい年って事で「今年は何か違うぜ!」
と思っていたのですが、回りも自分も何も変わっていなく、

「そう簡単に日をまたいだぐらいで人はかわんねぇよな」 と知りました。

どうやら僕が一番苦手な事なのですが、
日々ちゃんと後ろめたさなくやっている人じゃないと
新年の恩恵は受けられないようです。

噛み締めて来年に向け日々を生きて行こうと思いました。
鬼に笑われています。

男の馬鹿ぶりは南は沖縄から北は北海道まで変わらないのだなと
全国ニュースにならない自分を少しだけ褒めてやろう。