ダミー
  • 北海道情報doなびへのご意見
  • 北海道情報doなびのサイトマップ
  • 北海道情報doなびへ広告掲載をお考えの方へ
  • 北海道情報doなびへ相互リンクご希望の方

北海道情報doなび|北海道の観光やグルメ情報を発信

グルメ情報トップへ  観光情報トップへ
北海道情報サイトdoなびモバイルサイト
コラムインデックスPHOTO POEM>アメリカ part2

写真:葉っぱ

逆風の中で

木立の中の一本の木に 私はなりたい

冬の怒りと嘆きを受け止め
地中深く 沈めてあげたい

葉は枯れ落ち 冷たい雪に埋もれても
温かな躍動は 絶え間なく 流れている
何も語らぬ いくつもの細い根が
地を這い 支えあい 交差する

それはまるで 命を携えた 子宮のように
その秘めた孤独と激しさは
芽吹きの刻を待ち侘びている

空へと向かう枝先に逆風は吹くけれど
葉っぱ一枚まとわず さらけだした幹は
真の強さとは何かを 気付かせてくれる

そんな木立の中の一本の木に 私はなりたい


アメリカ part2
2010年2月18日
ほんの数日の滞在だったが、
どこへいってもおおらかで感じが良かった。

買い物をする度にレジの店員さんも優しく応対してくれたし、
冗談を言って身振り手振りで笑わせてくれる人もいた。

「カンジ is cool」 (漢字ってカッコイイよね)と
話しかけてくれる店員さんもいてとてもフレンドリーだった。

次女はショッピングセンターのトイレで
「あなたの髪型素敵ね」と褒められ上機嫌だった。

髪型命の彼女は私の反対を押し切り、
こんな所まで重いヘアーアイロンを携えてきたのだからなおさらだろう。

車のナンバープレートも州によって、
違う絵が印されており、それを見るだけで面白い。

バス停で列を作っている人達に車の中からカメラを向けると
皆いっせいに手を振ってくれた時は感激した。

所構わずカメラを向け、
危険とも言える行為を娘にとがまれたが、
私はハイテンションだった。

ディーのお兄さんの家に寄るためハーミストンの中流住宅街へ向かった。
そこは可愛い家が整然と並んでいた。

家の前は芝生になっていて、木が一本植えてあり、玄関口まで緩いスロープになっている。
庭はバックヤードと呼ばれていて、外からは見えない作りになっていた。

その住宅街を歩いていると、ある家から出てきた若者が
私を見つけるや否や「How’s going today」と声をかけてきた。
普通は「Pretty good」というところだが、とっさに「Thank you」
などと曖昧に答えて、怪しい東洋人は逃げるようにその場を立ち去るのだった。

ディーのお兄さんもとても素敵な家に一人で住んでいて、
快く私たちを迎えてくれた。
アメリカはバリアフリーを意識している所が多い。
その家もベランダと庭が、ほとんど段差がないので、
昨冬は雪が多くて大変だったよと言っていた。

彼は薬剤師でサイドビジネスとして、コインランドリーを経営している。
時々コインを入れても洗濯機が動かないとクレームをつける人がいるらしい。

実際には故障ではなくお金ほしさの嘘なのだが、
彼はそれを承知でコインを返却してあげるのだ。

心の優しいジェントルマンだった。

彼はベーチェット病を患っていた。
いつか目が見えなくなり、仕事が出来なくなる日を考慮して
サイドビジネスを始めたのだ。

婚約者もいたのだが、
彼女の将来を考えて自ら身を引いたのだそうだ。
胸の痛む話だった。

ディーはお兄さんのコインランドリーでよくアルバイトをしていたが、
ディーが集金したお金を盗まれる事があると意気消沈していた。

私は慰めるつもりで「You are poor 」と言った。
何か違うなとすぐに思った。

可愛そうにと言いたかったのだが、「あなたは貧乏ですと」言ってしまった。
「Poor boy」というべきだったがすでに遅く、ディーが怪訝そうに見ていた。

お兄さんとハーミストンの街を後にして、
ラ・グランデに向け出発した時はすっかり夜になっていた。

満天の星が、空一杯に輝いていた。
そして流れ星を何回も眼にする事が出来た。

「空が近い・・・」 私は心の中で呟いた。

to be continued...