写真:葉っぱ
Fallen Leaves
冷たい空気に 日増しに濃くなっていく葉
人は悲しみに出会うたび 心は深くなっていく
流した涙は心に虹をかける
手を温めるように
自分の影に 息を吹きかける事が出来るなら
優しい夜明けが見えるだろうか
雪に埋もれた葉は 再び大地に目覚める日のために
静かに眠り続ける
雪の上を転がっていく
行き場のない葉は
カラカラと どこまで行けばいいのだろう
春香山
2009年11月19日
昨年10月下旬、銭函春香山にメタボ対策中の夫と登山した。
ほとんどの紅葉は散り、茶色く朽ちて風が吹くたび、さわさわと落ちていった。
登山道入り口付近の沢では、
苔をまとった石が配置を考えて置かれたように転がっている。
少し歩くとパラパラと落ちてくるものに気付き見上げると、カラ松の落葉だった。
松の中で紅葉するのはカラ松のみと言われている。
その落葉の様は雨にたとえられ、「ゴールデン レイン」とも言われている。
そこを過ぎると、楓が目立つようになり、黄色い楓が森の最後の彩りを添えていた。
標高500mを過ぎる辺りで、足元の落ち葉は、
ミズナラ(どんぐりの木)の葉が目立ち始めたと思っていたら、
バサッと言う音とともにシマリスが目の前に飛び込んできた。
一瞬目が合い逃げられるかと思ったが、冬支度に忙しいようで、
落ち葉の中に顔を突っ込んで、透き通るような指で、実をほおばっている。
シマリスは冬眠前に頬にも木の実を蓄えるので、その膨らんだ頬が愛らしい。

頂上の途中にある銀嶺荘が近づいてくると、
白樺が目立ち、ななかまどの実の赤とのコントラストが美しい。
銀嶺荘で400円を支払い休憩して、コーヒーを頂いた。
その日は銭函の登山同好会のかにパーティの準備中で、
テーブルいっぱい、ごちそうが並べられていた。
騒がしい中で休憩していると、一人の女性が申し訳なさそうに
「これしかあげる物がなくて」と言って、手作りのナイロンたわしを渡してくれた。
その女性は年に30回ほど春香山に登るらしい。
スキーにシールを張って登り、山スキーを楽しんでいると話してくれた。
笑顔の素敵な女性だった。
そこから30分ほどで、頂上に到着。
眼下には銭函天狗岳や他の山並みと海、銭函や札幌の街も展望出来る。
下山時もやはり、同じ場所でシマリスを見かける事が出来た。
あれ以来海も山も楽しむ事が出来る銭函が、
とても魅力ある場所に思えてきた。