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コラムインデックスPHOTO POEM>さよならの代りに

写真:葉っぱ

ガラス越しの冷静

ただ真っすぐに ひたすら落ちてくる雨を見ていた
言い出せない想いは 雨音に変わっていく

たとえば 窓ガラスに伝う雨の雫
夜の街灯に照らされ オレンジ色に転げ落ちていく

たとえば 水溜りに落ちる雨の波紋
人の足を止める事はなくても 
外は雨だと教えてくれる

ガラスが隔てている冷静
うつむいた視線の先に
まだ輪郭の薄い夢がまどろむ


さよならの代りに
2009年7月22日
晴れた夏の午後は石狩方面へ出かける事が多い。
バイクで30分というイーズィーな距離も理由の一つ。

中央埠頭では釣り人が、所狭しと釣り糸を垂れている。
家族連れが、バーベキューを楽しんでいる姿も多く見られる

バケツの中を、子供が嬉しそうに、魚をつついて覗き込んでいる。
バケツの中の魚の数が、一日の長い時間をこうして過ごしているのだろうと連想させる。

釣竿を固定する為だろうか・・・
潰した缶がガードフェンスに一定の間隔を保ち、縛り付けられている。

こちら側から海へつなぐ、一本の糸。
その海に放り出された釣り糸を、ぼんやり見ていると思い出した事がある。

北海道の写真とポエム 昔、仕事の転勤で函館に住んでいた頃、
青函連絡船で東京に旅立つ友人を仲間で見送った。
慣れた仕事を辞め、夢を実現させる為だった。

ピンクや黄色など、色とりどりの紙テープが、
連絡船のデッキに立つ友と、見送る私達をつなげていた。
連絡船が少しずつ進み始め、さよならの代りに、テープが長く伸びていき、
やがてテープはちぎれ、風に舞う。

デッキにたたずむ友が少しずつ小さくなっていく。
常日頃、悪態をついて皆を笑わせていた友人は、
言葉少なくうつむいて、デッキにもたれかかるように海を見つめていた。
いつまでも・・・

旅立っていく友人の姿が、スローで小さくなっていくのと反比例するように、
頑張ってほしい気持ちと、寂しい気持ちが大きくなっていくのを感じた。
風が冷たい28年前の春だった。

バイクにまたがると、バックミラーの中で、かもめが高く飛んでいき見えなくなった。
スイッチをオンにして、スターターをキックした。
懐かしさはエンジン音に掻き消されていく。