ダミー
  • 北海道情報doなびへのご意見
  • 北海道情報doなびのサイトマップ
  • 北海道情報doなびへ広告掲載をお考えの方へ
  • 北海道情報doなびへ相互リンクご希望の方

北海道情報doなび|北海道の観光やグルメ情報を発信

グルメ情報トップへ  観光情報トップへ
北海道情報サイトdoなびモバイルサイト

写真:葉っぱ

静かな主張

越えられない壁を越えようとして 石を投げ続けた
いつしか壁は崩れ 山よりも険しい石の山
もしも私が泥の川ならば 石の山さえ すり抜けて行けるのに

大きな川を渡ろうとして 石を投げ入れた
いくら投げても 濁流に崩れる川の道
もしも私が一枚の葉ならば どこまでも 流れていけるだろう

激しい水しぶきの中に手を入れても
その手の中に残るものは何もない
石と石がぶつかりあうように 
どちらかが傷つき 欠落していくだけなら
今はこうして ゆらゆら漂っていよう
可能性
2009年4月15日
バイクの免許を取得したのは35歳だった。

当時の職場の10歳年下の友人、
ひろみさんがバイクで楽しんでいる姿に影響され、
昔に封印していた熱が再燃した。

決断は早かったが色々と問題もあった。
子供がまだ小学校低学年だったので、
あまり時間はかけられなかった。


強行手段しかなかった。


反対されるのはわかっていたので、
家族に内緒で自動車学校に入校してしまった。

その頃は不規則な仕事をしていたので、
なんとか気付かれずに済んだ。

まず400CCのバイクを起こす事からスタートしたが、
なかなかこつをつかめず、「小型から始めたら?」などと
嫌味を言われながらも、気持ちだけはめげなかった。


同じ日に入校した70歳の男性と休憩時間に言葉を交した。

その男性は以前から50CCに乗って積丹方面を走っているが、
排気量の大きなバイクにすぐ抜かされ、口惜しい思いをしてきたので、
中型免許を取得する決心をしたと話してくれた。

背中と膝が少し曲がっている、その人は、
「あと5年乗る事が出来れば、それで満足なんだ」と言った。
その言葉を聞いた時、静かな感動が伝わってきた。

何年人生が残されているかはわからないが、
たとえば、5年でも楽しむ為に新しい事にチャレンジする、
その気持ちが素晴らしいと思った。


北海道の写真&ポエム 毎日の教習は緊張感と充実感があった。
短期間で取得したかった私は、
仕事の前に2時間教習を受ける事も少なくなかった。

何度もバイクを倒し、あざを作り、その足で仕事先に向かった。

試験で一番緊張したのは、一本橋だ。
幅が狭く、少し高さのある一本の板を渡りきらなければならない。

ふらついて脱輪したら、不合格となる。
緊張で膝が震えたが、1回で取得する事ができた。


年齢とともに、トライする事より、
あきらめる事のほうが多くなりつつある。

16年たった今でも時々、
あの腰の曲がった70歳の男性の言葉を思い出す事がある。


「残りの人生の、あと5年のために・・・」