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コラムインデックスPHOTO POEM>ひらひら〜野付半島

写真:葉っぱ

ひらひら 〜一人旅

心はまるで 葉のように
風に ひらひら揺られてみたり
時には 光に輝き
月の夜は 孤独に耐え
雨の雫に 遠い日の面影を映す

心はまるで葉のように
裏と表を くるくる変える
風がささやくたびに くるくる変わる

冬の季節 一枚取り残された時
しっかり木につかまっていられる
勇気はあるだろうか

一度離れた葉は
二度と戻る事はないけれど
心は潔いだろうか


ひらひら 〜野付半島
2008年7月15日
「何人かで行くのは旅行で、旅と呼べるものは一人で行く事ではないだろうか」

高校生の時読んでいた、
落合恵子さんのエッセイに影響されて、
一人旅立った19の夏。

思いついたら、明日にでも出発出来る、
あのかけがえのない自由というものに、
あの頃は気づきもせずに。

落合恵子さんは当時、
深夜放送のセヤングという番組のD.Jをしていて、
レモンちゃんという愛称で人気があり、
自立した、大人な印象の素敵な女性だった。

細かな予定は立てず、最初に知床を目指した。
札幌から、北見、網走周りの鈍行列車。

当時はオホーツク沿岸でしか、
あまり目にすることがなかった、はまなすの花が、
窓越しの景色を飾っていた。

知床5湖を回り、知床Y.Hに宿泊した。
同じ部屋の人達との一期一会の会話が新鮮だった。

バックパッカーのように、色々な場所を旅することに憧れた。
次の日は船で、知床の裏側まで行くツアーに参加したかったが、
斜里まで戻り、バスで、野付半島を目指した。

途中、北方領土の一部の国後島が見えてきて、感慨深かった。
野付半島は、雑誌で目にしてから、いつか必ず行こうと決めていた。

トドワラと呼ばれる、海水に侵食されたトドマツの木々が立ち枯れたり。
横たわっている、荒涼とした、最果てのような場所が
写真を通して遠い異国のように伝わってきた。

若さは、風景や情景をダイレクトに受け入れやすい。
そこに着いた時、横たわり、再生する事もなく、
朽ち果てていくだけのトドワラを目にして、
一人旅という感傷がさらに穏やかに自分を浸していった。

現在はこの場所は海水でかなり侵食されていて、
昔とは少し変わっているらしい。

船で尾岱沼に渡る前に見た夕日は心細さを助長させていったが、
乗船の途中、船員さんの「アザラシが見えるぞう」の声に目をやると、
黒っぽいアザラシの頭がプカプカと波間から見えて感激した。

宿泊した尾岱沼Y.Hのヘルパーさんは、
色々旅した後、住み着いてしまったほど、
この場所が好きだと話してくれた。

次の日は宿泊客皆で、
一般の観光客にあまり知られていない
裏摩周湖まで案内してくれて、
湖畔まで降りたりして、見知らぬ者同士で盛り上がった。

心趣くままに、自分自身と向き合う、
孤独と引き換えの自由という幸せな時間。


進化など求めてはいなかった。
ただ 紙ふぶきのように
心模様を、過ぎ行く景色の中にちぎって飛ばして、
何かを変えようとしていた。


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