ダミー
  • 北海道情報doなびへのご意見
  • 北海道情報doなびのサイトマップ
  • 北海道情報doなびへ広告掲載をお考えの方へ
  • 北海道情報doなびへ相互リンクご希望の方

北海道情報doなび|北海道の観光やグルメ情報を発信

グルメ情報トップへ  観光情報トップへ
北海道情報サイトdoなびモバイルサイト
コラムインデックスHIBIKIRU>屋久島旅行記‐4日目

屋久島旅行記‐4日目
2010年1月27日
山の気温はいったい何℃だったんだろうか?
ジーンズとパーカーでは寒くて寝れなかった
12時ぐらいに外で横になったけど、
寒すぎて寝れず2時ぐらいに山小屋に入る

体の痛みと寒さで全然寝れず4時ぐらいに起きる
昨日怪我した足の痛み、肩の痛み、
10キロ以上歩いた体の疲れ・・・そして睡眠不足
今日一日の行程が不安でならない

今日歩くルートは、
鹿之沢小屋〜縄文杉〜ウイルソン株〜トロッコ道〜小杉谷〜荒川登山口
荒川登山口がゴール、早い人だと7〜8時間ぐらい

朝飯食って少し休んで朝4時30分ぐらいから登り始めた
昨日小屋まで下山してきた道を再び登リ始める
足の疲れが全く癒えていない

しかも今日の天気は曇り、いつ雨が降ってもおかしくない天気
レンタルしたリュックカバーを早めに付け、
ビデオカメラを雨で壊さないようにする

急勾配を一歩一歩登る
痛めた右足が登り始めてすぐ痛くなる、
こんなペースじゃ先が思いやられる
またしても友達に置いて行かれる

ゆっくり登って行くとポツポツ雨が少し降ってきた
昨日夕陽の雲海を見た永田岳の頂上が見えた頃、雨は小雨から完全な雨に変わった
頂上付近は風が強すぎて雨雲と霧の流れるスピードが尋常じゃない
ズボンに水が雨に濡れて重くなる、明らかな装備不足と知識不足だった

何度か迷いかけたが無事友達を発見する
「後はこの看板の順に進んで行けば大丈夫」
「先に新高塚小屋まで行って待ってるよ」
って言われた

「うん」と力の無い返事を返す

体のあらゆる所が痛かった
この時点でゴールまで三分の一ぐらい・・・

次の目標を新高塚小屋に変え集中力を高める
「もう嫌だ!」とか「無理!」とか、
クソみたいな言葉は想像すらしないようにする

そのぐらい強く考えないと気持ちが折れそうになる
そういえば糞といえば汚い話になるが、
快便派の俺が昨日から一度も糞していない・・・奇跡だった

再び歩き始める
歩く歩く歩く歩く歩く。

友達と合流した看板の場所からの道のりは、
さっきの登山道ほど急勾配じゃなかった

水分補給しながら体を休めながらゆっくり歩く

昨日とは違う登山道に入る分岐点にやっと遭遇する
今日の朝から登り始めた小屋から縄文杉に抜ける道を歩くのは、
友達と俺と山小屋に居た人達以外は居ない

初めて歩く道だからこっちで良いのか不安になる
自分を信じて歩く

標高も低くなってきて霧と雨が弱くなる

やっと逆から登ってきた登山者と会う
「頂上の天気はどうですか?」と聞かれてた
「雨と霧が凄いので気をつけてください」と答える

この道で間違ってなかったとホッとする


さらにしばらく歩き続けて新高塚小屋に到着する

友達が小屋で待ってた
何時間待たせたか解らないけどかなり待たせたと思う

昨夜捻った右足首は腫れてた、足の裏にもマメが出来て潰れてた
ビデオカメラを背負ってる肩もリュックの重みで内出血してた

リュックを置き水を汲みに行く
足がガクンガクンで膝に力が入らない

小屋に戻り身体を横になる、
ホッとしたら全身の疲れと痛みが襲ってきた
友達が飯を作ってくれた、夢中で食べる

「飯食ったら足の痛みが無くなれ!!」と心から願う

でも現実はそう甘くない
腹は満たされたが足の痛みは全く消えなかった

次の目標は、新高塚小屋から縄文杉やウィルソン株を見るルートを通る
一時間ほど休んだ後に出発する事になった

少し眠る

そして出発の時間が近づいた、
荷物を背負い気合いを入れる

観光ルートなので舗装された道に変わる
木で作られた階段に変わった

歩き始めてすぐ足が痛くなる
段差の深い階段の降りは足にかかる負担が大きい
階段を一歩一歩降りることしかできない

登る人降る人、登山道に人がかなり増えてきた
歩みの遅い僕は元気な人にすぐ追いつかれる
その度に止まって抜かしてもらう

観光客の多さ+身体の疲れ・・・もはや写真を撮る余裕も無い

やっとトロッコ道の終点に着く
でも逆から登って来た僕から見れば、それは始まりだった

看板の文字を見て愕然とした!
バスが待ってる荒川登山口まで8キロ!
実際ここまで何キロ歩いたのだろうか?相当歩いてる

昔木を切り出していた時代、
木を輸送するために使ってたトロッコ道・・・
平坦だが距離は長い、今すぐトロッコに乗って終点まで行きたい

また水を汲み直し一気に飲み込む、友達の姿は見えない
足をマッサージしながら身体を休める

またまた気合いを入れて出発すると決める
再び歩き始める、線路の木板の間隔が短足の僕には広すぎた
しかも天気は晴れに変わっていた、南国の夏!気温は30℃以上!
水はみるみる減っていく

看板の文字に恨みを込める
あと7キロ、6キロ、5キロ

「細かいって!」

「もっと間隔あけろよ!」

「まだ5キロかよ!」

一人で文句言いまくる

今何時なのか?あとどのくらい歩けばいいのかすらわからない・・・
どんどん抜かされて行く、子供にも抜かされる
バスが待ってる登山口に向かう人も減ってきた
ついに水が無くなる、給水場も無い

もう残り何キロかの看板も見かけなくなってきた
暑さでフラフラになってる、目がチカチカしてきた
リュックを全部投げ捨ててしまいたい、ガクガクで足はもつれる
さっきまであれだけ人が居た筈、でも前後に人が居なくなった

不安、焦り、疲れ・・・ドキドキする
もしかして最終バスは行ってしまった?
置いて行かれた?
どうしよう?いろいろ考えながら歩く

トロッコを収納する施設が見えてきた
やっとやっと終着点だった

バスの時刻表を見る、近くに居た登山者に時間を聞く
なんと最終バスだった!

5時30分出発、どこかでぐだぐだ休んでたら間に合わなかった

バスが来た、友達の姿は見えないが乗るしかない
半歩ずつしか歩けない足を引きずりながらバスに乗り込む・・・
無事バスに乗り座席に座り、フーッっとため息をついた
軽い熱射病と身体の痛みで放心状態・・・

バスの降り口までは約一時間、今日の出来事を思い出す
涙が出そうになった、やりきった嬉しさと安堵感、ランナーズハイ的な感覚・・・

バスが終着地点に着いた
行きに登山口まで送ってくれた方と、
一緒に登山した友達が俺の到着を車で待っててくれた

足の疲れをとるため、平内海中温泉へ行く事になった
屋久島には無料の温泉がいくつかある、滞在中いつもここに来てた
お湯の成分も凄くいい

リュックを置いて生身になっても、全身の痛みで半歩ずつしか歩けない
歳をとってお爺ちゃんになったらこういう感じなんだろうな

歩くのも半歩ずつ、階段も一歩一歩登る、
湯船に浸かるのも全身を使い、全部の力を振り絞らないといけない

お年寄りの気持ちがわかった瞬間だった

家に帰る前にビールと飯を買い込む、
どんなに疲れてても酒は欠かさない

帰ってすぐ湿布を痛い所全部に貼る
ビールを一本飲み終わる前に寝てしまった

明後日に迫る皆既日食の日、
ネットでの天気予報は雨マークに変わってた

続く・・・


・屋久島旅行記の写真はこちら
http://fotologue.jp/onglife/#/10344550/10345216