屋久島旅行記‐3日目
2009年11月20日
朝9時過ぎに起きる
天気はあいにくの曇りだ
登りに行くのか?行かないのか?友達と話をする
僕が滞在する後半は雨が多いため、登るなら今日がいい
そう結論を出して登ることを決意する
友達の知り合いが登山口まで送ってくれることになった
雨が降る可能性がかなり高いから、
ビデオカメラを守るリュックカバーをレンタルしに行く
1泊2日のレンタルで500円、支払いを終え車で登山口へ向かう
実際時間は覚えていないが、40分ぐらい走ったと思う

向かう途中車にサルが乗ってきた
木が大きくなってきた
道がかなり狭い
登山口に向かうだけでも一苦労!
ドキドキワクワクしてる間に登山口到着。
淀川登山口。と、看板があった

皆既日食を見に来た人達も山登りもする為だと思うが、
登山口に管理人が居て入山する人のチェックをしてた
そして世界遺産には排泄に関する決まり事もある
世界遺産に認定されてる区域で排泄していけないのだ
僕は毎日快便なので簡易トイレを二枚ぐらい購入する
・・・
それでも足りないと思ったから、登山口の便所でひねり出す

そしてついに登山開始!
登り始めてすぐ後悔する
もっと荷物減らせば良かった
ビデオカメラ&一眼レフ&三脚&食料&水&着替え!
友達のリュック内容は、水、食料、寝袋、着替えぐらい・・・
登山開始5〜10分後・・・あっという間に置いて行かれる
まだ標高の低い所といえども、
これ以上人の手が加えられないため山の雰囲気が凄い
木の太さ、大きさ、苔の生え方、時間は進んでるがある意味止まってる
一眼を肩に掛けガンガン撮りまくる
三十度を超える暑さでの登山、肩にビシビシくるリュックの重さ・・・
今この記事を書いてる時でも思い出したら吐きそうになる

ついに一個目の看板が出てきた、宮之浦岳7.4km。
今日目指すのは、宮之浦岳の頂上と永田岳の頂上だった
山道の7.4kmは結構ある
だがそんな事考えてると、
下山したくなるから考えないようにして登り続ける
しばらく歩き続けると山小屋が見えてきた
ペットボトルの水が無くなってたから川で補給する
リュックをおろすと肩がすでに赤くなっている、
まだ半分も来てないのに足もガクガクだ

また登り始める
しばらく繰り返すうちにひらけた場所に出た
また看板がある、宮之浦岳4.2km・・・まだ半分も来てない
とりあえず腹減ったからオニギリ食う、水飲む・・・無気力&脱力感。
でも飯食ったら力が出た
また登り始める・・・休みながらでも一歩一歩確実に進む
まるで人生みたい、なんて普段一切考えない事も考える
友達の姿は一切見えない
たまに待っててくれて合流するが、登り始めるとサッと置いてかれる

頂上を目指してなんとか登って行く
宮之浦岳30m、看板が出てきた
足ガクガクになりながら急いで登る
友達が笑顔で待ってた
九州地方で一番高い山宮之浦岳の頂上に立つ
感動してる自分に気付く
だが今日はまだやる事がある

永田岳に登って夕陽の雲海を見る事・・・
宮之浦岳から永田岳の頂上が見える、かなりの急勾配だった
スムーズに登れたら一時間ぐらいだと友達は言う
宮之浦岳の頂上から再び重い荷物を背負い出発する
みるみるうちに友達が小さくなる
登りながら頂上までの道のりが見えるから、
気持ちを落ち着けて安心しながら登る
でも足がガクガクだから、
一歩一歩膝に手をついて登ってく
体力の限界近づいてる、現時点で少なくとも約8km近くは歩いてる
予定の1時間をはるかに過ぎて永田岳の頂上に着く
目的地に着いて正直ホッとした、少しずつ太陽が下に下がってきてた
休む間もなく一眼とビデオカメラを持ち、雲海が一番綺麗に見れるポイントに行く
あと頂上に着いた乾杯用の焼酎三岳も持つ

頂上は風が強すぎて写真も撮れない、
雲海を見るために岩の隙間に入っていく
子供の頃探検ごっこした感覚だった、
でも足を滑らせて落ちると簡単に怪我する程の高さだった
最初は白だった雲の部分が、綺麗な赤色に染まっていく
岩の隙間からの写真を撮り終える、次は頂上を反対側から見える所に移動する

ポイントに着いてビックリした
落ちれば必ず死ぬ高さ、先に着いた友達はその崖の手前で寝ていた
後ろから友達と夕陽の写真を撮り続ける
どんどん夕陽の赤色が深くなっていく・・・こんな景色見た事なかった
昔旭岳で雲海は見たことあった、でもレベルが違う

この景色は一生忘れないだろう、
自分の目とカメラに記憶を焼き付ける
そして三岳で乾杯する
友達にカメラを渡して自分を撮って貰う
どんどん太陽が下がっていく、
さっきの夕陽の光景がウソみたいな暗さになる
この日は新月だった、月の明かりは無いから
何も見えなくなってしまう
灯りは友達が持ってるライト一個のみ・・・
麓の山小屋まで下山しないといけない

足がガクガクな状態、
しかも初めて下りる道、そして暗い状況。
焦る気持ちと体の疲れが、
正常な判断と注意力を散漫にしてた
下山し始めて15分過ぎた頃、
4〜5m距離を置いて友達と話しながら下りていた
その瞬間ズボっと落ちた!
と思った瞬間、右足に激痛が走る
溝に落ちてしまったんだ!
と下を見た、暗くて見えないぐらいの深い穴だった
細い木の根に右足が乗ってる状態、左足は浮いていた
木に引っかからず落ちてたら大怪我だったと思う、今考えてもドキッとする経験。
携帯も通じない場所での怪我は致命的だ、一瞬の油断が招いたミスだった

右足を引きずりながらの下山、何も見えない状況、
ちょっとした岩の段差にも足が引っかかる
足に力が入らない、膝が笑ってる、今日味わった全ての疲れがきてる
川の音が聞こえてきた、「あと少し、頑張って」
と友達に励まされながら歩みを進める
やっと山小屋に着いた、安堵感と疲れでしばらく放心状態になった
また三岳で乾杯をして、カップラーメンと米を食らう
ふーっと空を見上げると星がいっぱいだった、
下界では見えない小さい星までたくさん見えた
疲れてるくせに三脚と一眼で星空を撮影する

足全体に湿布を貼る、気持ちが落ち着いたのか急に眠気が襲ってきた
明日は縄文杉を見るルートで下山する事になる
道のりはかなり長いらしい、正直この足じゃ不安だ
この痛みが何時間後に治る訳が無いからだ
でも自分の足で歩かなければ帰れない
続く・・・
・屋久島旅行記の写真はこちら
http://fotologue.jp/onglife/#/10344550/10345216