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わたくしごとで恐縮なのだが、
先月当店bronxの五周年を無事迎える事が出来た。

独立開店するにあたり、自分の事以上に親身になってくれた最愛の仲間。
開店を聞きつけ、応援してくださった多くのお客様。
開店し、ここbronxで知り合い、通ってくださるようになった新しいお客様。
良きアドバイスや刺激をくれる同業の仲間達。

本当に皆のお陰で、五年の営業があった。
心から感謝している。

思い返せばこの五年の間で、
多くの新しいお客様と知り合う事が出来たけれど、
中には疎遠になった方々もいる。

店を営んでいると当たり前の事だからと、
普段はあまり考えもしないのだが、
周年を期に少し考えが変わったような気がする。

せっかく縁があった人達だから、何年後でもかまわないから、
昔話や近況を肴にいつか一献傾けてみたい、そう思うようになった。

久しぶり〜とドアを開けてくれる事を心待ちに思うようになった。

ひょっとすると、bronxもいつかは場所や形態が変わるかもしれないけれど、
いつまでも薄野の実家やふるさとでありたい。そんな店になってゆきたい。

こんな想いが目標に変わった五周年だった。


皆に応援してもらえる店になるように、bronxも少しずつ変わって来ている。
美味しい時間やお酒を、より楽しんでもらいたいから。

本当は良しと思わずも、
便利さで使い続けてきた製氷機を取り外し、
少し大きめな冷凍ストッカーを購入した。

毎朝届く板氷、グラスに合わせアイスピックで割る作業も、
凍り付くような左手の感覚も、五年ぶりだが心地良い。

シェーカーを振った時も氷屑が少なく、
より美味しいショートカクテルに近づく。

オンザロックや水割りでは、かち割り氷にお酒が浸された時の
パキパキと言う氷の響きがより美味しさを演出してくれる。

また、大きめなストッカーの中には、
キンキンに冷えたスピリッツ達がとろみをおびて、
自分たちの出番を今か今かと待ちわびている。

小さなチェンジを少しずつ、幾度となく重ね、
目指せ『すすきのの実家、すすきののふるさと』である。